秋の愛岐トンネル群を歩く 愛知県春日井市
皆さん、お疲れ様です。
アヒルノヒカリでございます。
かつて・・・・愛知県高蔵寺から岐阜県多治見の間には今とは別の鉄道が走っていました。
1966年に廃線となった渓谷を走るその鉄道は8kmあまりの軌道と13基のトンネルがあり・・・・2005年まで忘れ去られ藪の中に埋もれていました。
愛岐トンネル群
廃線と廃トンネルが見られるという情報を得まして、いつもの如くあまり下調べをせずに見に行ってきました。
入り口で頂いたこの小さなパンフレットを見て驚きました。
2005年に偶然発見されるまで忘れ去られていた・・・・そんな事があるんですね。
旧国鉄が造った・・・・つまり国の事業として造った線路とトンネルが役目を終えた後、記録からも記憶からも消えてしまうなんて事が起こり得るんですね。
2005年JR中央線勝川駅の高架化改修工事の際に残っていた明治の赤れんが製プラットホームが撤去されたそうです。
この赤れんがを使った町おこしのイベントが行われた際に地元の古老が赤れんがのトンネルがあったことを思い出した・・・・その話を元に数ヶ月の捜索の結果約40年間眠っていたトンネルが発見されたそうなのです。
(愛岐トンネル群保存再生委員会公式サイトより)
公式サイトには「40年間藪の中に眠っていたトンネルを目にした時の胸が震えるような感動は今でも古参会員の語り草」と書かれています・・・・凄い話です。
現在は年2回、春と秋に一週間だけ一部が一般公開されています。
入り口→玉野第三隧道
本日は生憎の曇り空、電車で移動中にパラパラ雨が降りました。
東海自然歩道を歩いた時に何度か使ったJR定光寺駅・・・・普段は人気のない無人駅は人でいっぱいです。
正直言いますとワタクシ、「うわぁぁ、廃線の哀愁もへったくれもない、ちょっと帰りたい・・・・。」と思いました。(笑)
並びながら入り口まで・・・・入場料はたったの100円です。(アリガタイ)
紅葉が綺麗です・・・・そして!
おぉぉぉ・・・・これが40年の眠りから醒めたトンネルかっ、玉野第三隧道が現れました。
赤れんがのアーチが綺麗ですね。
隧道とはトンネルのことです。
トンネルが日本語化している今日、トンネル日本語化以前の古いものは敢えて隧道と呼ばれます。
トンネル内は光の演出がなされていました。
玉野第三隧道→玉野第四隧道
春の景色はどんな感じなのでしょうね、廃線には哀愁漂う秋の景色が似合う様な気がします。
足元には沢山の小石・・・・これは線路に敷き詰められているあの小石ではないでしょうか。
ただの落石防止柵かと思っていましたが、支柱に古い線路が使われています。
ワタクシ、特別鉄道には明るくありませんが・・・・とても良い演出だと思います。
気が付くと周りは竹林、紅葉とのコントラストが良い感じです。
橋の下にも道がありますが、どうやら帰路用の様です。
帰りも楽しみです。
庄内川、向こう側の道をロードバイクで走ったのはコロナ騒動直前の事でした・・・・。
古い写真が展示してあります。
今立っているここを・・・・汽車が走っていたのですね。
玉野第四隧道。
このトンネルでは光の演出ではなく音の演出・・・・汽車の汽笛が鳴っています。
この付近に汽車が脱線した時のひび割れが残っていました。
写真を撮ったのですが・・・・ピンボケ!(怒)
ほんと、すみません。
ワタクシの哀れなザコカメラは暗い場所に弱いのです・・・・。(泣)
玉野第四隧道→隠山第一隧道
三四五の大モミジ。
そこから見える庄内川。
ここを愛岐渓谷又は玉野渓谷と呼ぶそうです、本日初めて知りました。
倒木。
新しい倒木でしょうか、切り株が綺麗です。
水車。
その上に大きな岩があります。
・・・・ゴリラ岩!?
上へと続く道がありましたが・・・・。
途中で消えてしまい、ゴリラ岩まではいけませんでした。
水車を上からパシャ。
此方は信号機の台座跡だそうです。
これは?
可愛い・・・・。
獣害について・・・・でした。
可愛いだけでは済まない問題もありますよね。
そして此方は笠石洞暗渠、国の登録有形文化財です。
隠山第一隧道。
入り口にお地蔵様。
此方のトンネルは演出無し・・・・ありのままのトンネルです。
これを待っていたっ!!
他の見学客のスマホのライトが光るのみ・・・・辛うじて足元が見えます。
お陰でワタクシは敢えて何も光らせずに歩く事が出来ます。
これは・・・・何でしょう?
隠山第一隧道→隠山第二隧道
SLの軌道。
そして間髪入れず隠山第二隧道です。
一般公開されているトンネル中最長の333m、楽しみです。
これはインバートというそうで、
トンネル入り口の下部を作るための物だそうです。
隠山第二隧道は非常に暗いです。
このカメラには写りきらない小さな備え付けのライトと・・・・写っているのは見学客のスマホのライトです。
遠くに微かに備え付けのライトが写っています。
見学客の話し声と、踏みしめる小石の音がするのみ・・・・。
ここは・・・・ここは出来る事なら、出来る事なら一人で歩いてみたかったです。
333m、とても長く感じました・・・・堪能しました!(嬉)
トンネルを抜けた先に・・・・あの橋はっ!!
あれは諏訪大橋、コロナ騒動前にロードバイクで庄内川を辿った折にあの橋の上で写真を撮りました。
なるほど、ここに出るのかぁ。
ブログの記事をチェックしたところ2020年12月・・・・コロナは長かった、そして世の中の決して少なくない事が変わってしまいました。
朽ちかけた赤れんがが美しい・・・・。
発見された40年前はどんな状態だったのでしょう?
一般公開されていない他のトンネルはどんな状態なのでしょう?
好奇心が尽きません。
隠山第二隧道→もみじ山
隠山第二隧道復路を堪能し脇道に逸れてもみじ山に入ります。
此方はやまおやじの大エノキ、推定樹齢200年以上だそうです。
此方は三位一体の木、エノキ、クマノミズキ、イヌシデが三種混合状態との事です。
素晴らしい紅葉景色です。
背景が青空だったらもっと綺麗だったでしょうねぇ。
それだけが残念です・・・・。
時折ポツポツと雨だ降りますが、
本降りにならないだけでも有難い事です。
これだけの素晴らしい紅葉景色を堪能して、いよいよ春の景色がどんなものなのか気になってきました。
もみじ山→玉野古道、ピクニック河原
今回のコースの最奥地、玉野古道を抜けてピクニック河原を目指します。
此方も忘れ去られていた古道で、トンネルと共に発見されたとの事です。
明治28年に玉野街道として開通、開通当時は道銭を徴収していた有料道路だったそうです。
翌明治29年に中央線の敷設説工事が開始されこの街道は所々で寸断されてしまいます。
結局ちゃんとした街道としては僅か1年、そして明治33年の中央線開通で完全に忘れ去られ幻の古道になってしまいました。
凄いコースですね、愛岐トンネルは歴史ロマンの塊かっ!?(喜)
柿!(笑)
大分下に降りてきたようで、庄内川が近くなりました。
ピクニック河原到着です。
NGOの方の話では川の流れで河原が削られてしまったそうです。
少し見難いですが、諏訪大橋が見えますね。
隠山第二隧道とほぼ同じ距離を歩いたという事でしょう。
帰路
トンネルと通って帰る事も出来ますが、庄内川沿いを歩く帰路専用の道もあります。
トンネルも名残惜しいところですが、やはり別の道を選びました。
もみじ山には劣りますが、川沿いの紅葉も良い感じです。
隠山第一隧道入り口の上の部分です。
お地蔵様があったあのトンネルです。
本道とこの帰路専用道は数カ所繋がっています。
どちらの道も良いのですが、この隠山第一隧道からの帰路専用道を選ぶべきです。
何故ならば・・・・これがあるからです。
先にご紹介した国の登録有形文化財の笠石洞暗渠の下の部分が見られるからです。
そしてなんとここ・・・・中に入れます!
上にいるおじさんが「おーい。」と声をかけてくれました。(笑)
こういう場所は大体立ち入り禁止になっていると思います。
僅かな距離ですが、これには大いに興奮しましたよ!(笑)
ブランコがありました!(笑)
天候も回復してきましたよ!
愛岐トンネル群、とても楽しかったです。
ありがとうございました!
人の多さに最初は少々辟易してしまいましたがこの歴史ロマン溢れる・・・・そして年2回しか入るチャンスが無いこのコース、人気で当たり前ですね。
もみじ山で少しだけ登りがありますが基本平坦でしっかり整備されたコースなので、どなたでも歩けます。
入場料が100円というのもありがたいですね。
管理費という事でしょうが、赤字になっていないか心配になってしまいます。
愛岐トンネル群保存再生委員会の皆様、ありがとうございます。
最後に定光寺駅からパシャ。
冒頭の写真のパンフレットに興味深い情報が記載されていました。
「日本3大廃線トンネル群」
今回の愛岐トンネル群の他にも群馬県に碓氷線トンネル群、そして福井県に北北陸トンネル群があるとの事です。
日本3大廃線トンネル群・・・・これは是非とも制覇したい!
皆さんお住まいの都道府県にも廃線や廃トンネルはありますか?