紅葉と古き思い出たち 名古屋市千種公園
皆さん、お疲れ様です。
アヒルノヒカリでございます。
さて、今回も紅葉を見に行こうと思います。
本日訪れるのは名古屋市千種公園です。
千種公園
今回紅葉を見に訪れる千種公園ですが、過去に何度も訪れた事があります。
実はこの公園付近に祖祖母が住んでいました。
ワタクシたちは大きいおばあちゃんと呼んでいました。
年に何度か家族で・・・・夏休みには祖母とワタクシたち兄弟だけで泊まりに、そして正月には親戚一同が集まりました。
付近には公園が二つ・・・・ワタクシたちは大きい公園と小さい公園と呼んでいました。
こちらがその小さい公園です。
松軒公園というですねぇ、本日初めて名前を知りました。
もう少し多くの木が茂っていた記憶がありますが・・・・記憶違いかな?
確か夏休みにセミの抜け殻集めをしたと思うのですが・・・・。
この公園の近くに駄菓子屋さんが二軒あって、大きいおばあちゃんにお菓子を買って貰いました。
一軒は新しいアパートに、もう一軒はドラッグストアに変わっていました。
小さい公園がまだあって本当によかった。
今日見ることが出来てよかったです。
そして大きい公園・・・・、
千種公園に到着です。
あぁ、このイチョウの黄色・・・・記憶が甦ります。
紅葉の名所で名が挙がる事はありませんが、綺麗ですよね。
ワタクシの懐かしいという感情補正を抜きにしても、とても美しいと思います。
この迷路の様な遊具で遊びました。
今でも人気のあの滑り台でも遊びましたよ、本当に懐かしいです。
ワタクシたち子供は公園で遊び、大人たちは銀杏を拾っていました。
ワタクシが知っているのは先程の入り口からこの遊具があるエリアのみです。
ここから先はワタクシのとっては未知の領域となります。
石碑がありますね。
「ここに滅あり されど平和は永遠に」ときざまれています。
先程の石碑について、帰宅後調べるまでもありませんでした。
太平洋戦争時の空襲で残った塀が保存されています。
おばあちゃんに大戦時の空襲について聞いたことがあります。
この少し北に位置するナゴヤドーム周辺は当時三菱の工場地帯だったそうです。
そこを標的に、この辺りはB29の激しい空襲を受けたそうです。
焼夷弾で穴は開きませんから、機銃掃射を受けたのでしょうか?
黒い焼け跡、銃痕や剥き出しの鉄筋が生々しいですね・・・・。
大きいおばあちゃんやおばあちゃんはこうした戦禍を生き延びたんですね・・・・。
大好きだった優しくて穏やかな大きいおばあちゃん、訪れると笑顔で「よく来てくれました。」と迎えてくれました。
大きいおばあちゃんの顔や声や匂いを今でもよく覚えています。
家には壁がけの古い振り子時計がありました。
チクタクチクタク、ガチャ、ボーンボーンという音もはっきり覚えています。
いつ製造された時計だったのでしょうねぇ。
それを知ることはもう出来ませんがねぇ。
真夜中でも問答無用でボーンボーンとなるあの振り子時計・・・・隣にもまる聞こえだったことでしょう。
おおらかな時代でした。
大きな黒い招き猫と赤いダルマもありました。
無自覚でしたが、ワタクシの招き猫好きはここから来たのかもしれません。
カップルで来ている女性が熱心に撮影していたので、ワタクシも倣って見ました。
なるほど、面白い写真です。
もう少し日が照れば・・・・本日は風が強く雲の流れが早いです。
大きいおばあちゃんの家は所謂長屋でした。
そう広くない部屋が三つ、そして裏は台所で土間になっていました。
裏口から出ると・・・・そこはなんと表現して良いのか、未舗装の路地裏というか・・・・。
そしてそこには壊れて役目を終えた地下水を組み上げるポンプがありました。
となりのととろで出てきたあのポンプです。
ポンプが現役の頃は、きっと近所の共同スペースだったことでしょう。
当時は大きいおばあちゃんの家の当たり前の風景としか認識していませんでした。
ワタクシの年代にとってはものすごく貴重な風景だったのだと、今なら分かります。
近くにはおもちゃ屋さんもありました。
ある夏休みにそこで大きなロボットのおもちゃを買って貰い、帰宅後両親に叱られました。
当時は大人はみんなお金持ちだと思っていましたが・・・・ごめんなさい、あれは高かったよね。
正月にはそのおもちゃ屋さんで福袋を買って、親戚みんなでジャンケンおもちゃ争奪戦をやるのが恒例でした。
だんだん盛り上がらなくなってある年プツリとやらなくなりました。
ワタクシたちが大きくなったからか、それとも福袋のクオリティーが下がったからか・・・・。
盛り上がらなくなっていたのは分かっていましたが、何だか寂しかったですね。
そのおもちゃ屋さんも今はもうありません。
正月の昼食は寿司の出前を取りました。
「だるま寿司」さん、子供ながらに素敵な名前だと思いました。
子供は毎年ちらし寿司だったのですが、ある年握り寿司のアップグレードしました。
なんとなく大人の仲間入りをした様な気がしました。
大きいおばあちゃんは明治生まれでした。
去年だったか一昨年だったか・・・・数年前に大きいおばあちゃんの法事で親戚一同が集まりました。
昼食に老舗の鰻屋さんに入りました。
ワタクシおもむろにトイレに行ったのですが・・・・。
そこには大きいおばあちゃんの家の土間にあったトイレと同じトイレがありました。
木の板で作られたドア、鍵も木製で穴にスポッと入れるだけの簡素な作りのあのトイレ・・・・。
少し埃っぽいあの甘い木の香り・・・・あぁ大きいおばあちゃんの家の匂いだ。
ささっと済ませてみんなに伝えました。
みんなでトイレに行って、あぁおばあちゃんの家の匂いだねぇと笑いました。
古いトイレの木製ドアのあの匂いを、後何度嗅ぐチャンスがあるのでしょうか。
大きいおばあちゃんの家周辺へ
大きいおばあちゃんが住んでいた長屋も今はもうありません。
ですが、どうしても行ってみたくなりました。
クネクネ曲がって入り組んだ古い街並みの風景です。
新しい家と古い平家がごちゃ混ぜになっています。
ここも相当古そうですね。
ああっ、ここはっ!!
マジか、夏休みに泊まった時に行った銭湯です。
まさかまだ残っていたとは・・・・改めて入りに来たいです。
ポンプのあったあの裏路地ももうありませんが、
色々な場所にその名残を見つけることが出来ました。
悲しいわけでもないし寂しいわけでもない、かといってテンションが上がるわけでもない・・・・この感情はなんというのでしょうか?
適当な単語が見つかりません。
皆さんの記憶を甦らせる風景や音、匂いはどんなものですか?