アヒルノヒカリ、オルゴールミュージアム展「残された音」へ行く 金山美術館棟
皆さん、お疲れ様です。
アヒルノヒカリでございます。
去年末の話ですが、ワタクシ美術館に行って参りました!
金山美術館棟(旧名古屋ボストン美術館)
かつて名古屋ボストン美術館と呼ばれていた美術館です。
その頃から気にはなっていたのですが行く機会が無く、今回が初めてです。
日本最大級の移動オルゴール博物館展、世界最古のオルゴールやオートマタも展示しているそうで楽しみです。
コロナ騒動後に機械式腕時計にハマってしまいまして、そういった方向からもとても興味があります。
しかも博物館や美術館には珍しく、今回は写真撮影可能との事・・・・これは素晴らしい!
さあ、早速入りましょう。
最初に現れたのはこちら・・・・「カリヨン」と言うものだそうです。
年代は不明、スイス製です。
室内用時計のアラームとして内蔵されていたものだそうです。
次はシンギングバード、機械仕掛けの鳥のようですね。
「木の中の少女」此方はなんとチョコレートの入れ物として使われていたのだとか・・・・!
全てフランス製です。
特別紹介されてはいませんでしたが全て見終わった後思うに・・・・カリヨンがオルゴールの祖、そしてシンギングバードがオートマタの祖といった展示だったのだろうと思います。
最初期のオルゴール
う、おぉぉぉぉお・・・・。
これが・・・・これが世界最古のオルゴール!
めちゃくちゃ小さい!!!(驚)
作られたのは1796年だそうです。
当時のスイス時計製造はまだイギリスやフランスから部品を輸入していたそうで、度重なる戦争の影響で部品が滞ることも多かったそうです。
そんな折、時計職人のアントワーヌ・ファーヴルという方が手元の部品であれこれ試行錯誤するうちに音楽を奏でる画期的な機械が出来上がったとの事です。
説明文には「偶然の賜物」と書かれていました。
オルゴールが偶然の賜物・・・・?
部品不足で時計が作れないから何か別の物でも作ってみようみたいな感じだったのでしょうか・・・・凄いなぁ!
そして・・・・やはり時計と関連がありましたね。(嬉)
ワクワクが止まりません!
この世界最古のオルゴール・・・・この小さな小さなオルゴールは一体どんな音色を醸すのでしょう?
触れない動かせない博物館美術館の残念なところです。(笑)
此方はオルゴール入りの印章、映画で出てくる手紙の封を蝋でするあれですね。
本当にこの中にオルゴールが入っているのか!?
・・・・凄いという言葉しか浮かびません。(笑)
これらはヴィネグレットケースというものだそうです。
なんでもこの中に香水を含ませた綿を入れたのだとか・・・・高貴な代物ですねぇ。
勿論オルゴール入りです。
この二つが特に綺麗でした。
モザイクやエナメルで絵が描かれています。
製造は1820年頃。
うおぉぉぉっ!!
オルゴール内蔵懐中時計!!!
写真では見難く申し訳ありません、スケルトンですよ!
此方は天使も動きます。
ジャケドローの腕時計のような感じですね。
此方は嗅ぎタバコ入れだそうです。
粉末にしたタバコを入れていたとの事・・・・知らないものばかりですね。
勿論此方もオルゴール入りです。
ここで驚いたのはコレ!
ナポレオンの嗅ぎタバコ入れ!!!!
功績のあった将校の為に注文したのだとか・・・・ナポレオン戦争と懐中時計の話は聞いたことがあります。
ですが、ナポレオンとオルゴールなんて今まで考えたこともなかった組み合わせです。
今日は本当に来てよかった。(喜)
製造は1810年頃。
本当に綺麗です・・・・欲しい。
此方も勿論オルゴール、特に目を引いたのは此方。
このハープ型オルゴール、この支柱の部分のブルーが・・・・もう本当に美しい!
エナメルでしょうか、まるで蛍光灯の様に輝いて見えます。
美術レベルが高すぎてワタクシの残念な語彙力が壊滅しています。(笑)
置き時計から身につける時計に移り変わる際、最初は高貴な人々のアクセサリーに埋め込まれた付属品からスタートしました。
時計の部品から生まれたオルゴールも、最初は高貴な人々の小物の付属品だったという事ですね。
1800年代後半
小物の付属品だったオルゴールは、このような大きな置きオルゴールに進化していました。
1800年代の貴重で美しいオルゴールが本当に沢山展示してあります。
読めませんが・・・・恐らく曲名が書かれているであろうこの紙だけでも貴重な展示ですよね。
オルゴールをジロジロ眺めるワタクシのところ横に、不意に博物館のスタッフさんがやって来て・・・・。
な、なんとオルゴールのゼンマイを巻き始めましたっ!!(驚愕)
うおぉぉぉ、すごい・・・・ワタクシそんなに物欲しそうな目で見ていたのでしょうか?(焦)
200年前の音色を奏で始めるオルゴール・・・・美しい・・・・。
そして音量がものすごく大きいです。
アヒルノアジトの壁が薄い残念なあの部屋で鳴らしたとしたら・・・・隣どころか更にその隣まで届きそうな音量です、驚きました。
小物の付属品だったオルゴールは、時代と共に広い部屋で音楽を楽しむものに進化したという訳ですね。
こういったタイプのオルゴールをシリンダシー式オルゴールと呼ぶそうです。
そしてこのシリンダーを交換して様々な曲を楽しめるよう作られているとの事です。
写真では写しきれませんでしたが、シリンダーの沢山の突起が光に当たってとても綺麗です。
全く知らずにここまでやって来ましたが、今回のこのオルゴール展・・・・なんと展示物を見るだけでなく実際回して聴かせて貰えるものだった様です。
スタッフさんが順番にゆっくりと全てのオルゴールを聴かせてくれます。
今日は来て本当に良かったです。
そしてワタクシが物欲しそうな目で見ていた訳ではなくて本当に良かったです。(笑)
高貴な人々がこんな絵画みたいな部屋でオルゴールを楽しんでいたのでしょう。
なんと展示物には触れられないのですが、入っても良いとのこと!
ありがたくカーペットをフミフミして来ました!
オルゴールが聴ける、写真も撮れる、そしてカーペットもフミフミ出来る、オルゴールミュージアム展「残された音」・・・・なんて寛大な展示会なのでしょう!(感激)
此方のオルゴールには自転車のベルのようなものが内蔵されていて、勿論鳴らせてくれます。
初めて見ました、本当に色々な種類のオルゴールがあるのですねぇ。
ベルの配置も様々です。
此方のオルゴールはシリンダーに位置が他のものと違いますね。
オルゴールのゼンマイを回してくれるスタッフさん。
ワタクシに回させては頂けないだろうか・・・・。(笑)
ここで思いつきました!
そうだ、動画を撮れば音色を皆さんに聴いて頂けるのでは!?
しかしこのブログ初めての試みは残念な結果に・・・・容量が大きすぎるってっっ!(怒)
嗚呼、そういう制約があるとは知りませんでした。
ここに載せられるオルゴールの動画は残念ながらこの短めの一本のみになってしまいました・・・・。(号泣)
綺麗なオルゴールの音色は曲が一区切りするまで撮影してしまいました・・・・長すぎました。
さて、ここに展示されていたオルゴールは全てスイス製です。
ブレモンなど、現在でも腕時計で名を馳せる会社製のオルゴールもありましたよ。
元々時計の部品から生まれたオルゴールですから、ワタクシの知らない会社もかつてのスイスの時計会社なのかもしれませんね。
オートマタ
今回の展示会のもう一つの目玉、オートマタ!
各展示物にはQRコードが付いていてスマホで動く姿を見る事が出来ます。
ですが・・・・。
ここでも実際動かして見せて頂けました、凄い!!
此方はサーカスの呼び込みアフリカ人がモデルのオートマタだそうです。
アフリカの民族衣装を元にした衣装がとても特徴的だとスタッフさんが紹介してくれましたよ。
ここには天才時計師のジャケドローを模したオートマタも展示されていましたが、まさかのピンボケ・・・・。
ちょっと手持ちのカメラに限界を感じています。(泣)
このオートマタ・・・・。
自転車の部分が凄いです。
キャベツの中のウサギだそうですよ、可愛い!
そしてワタクシが一番心に残ったのがこちら。
この水を飲むクマのオートマタ。
これを見た時、不意に昔家にあったオモチャの犬のドンちゃんを思い出しました。
電池で動く犬のドンちゃん!
200年前のオートマタを見て驚嘆の声をあげるワタクシ達・・・・。
では200年前のオートマタ技師が犬のドンちゃんを見たらどんな声をあげるのでしょうねぇ。
そしてドンちゃんが昭和当時の価格で数千円などと知ったらどんな顔をするのでしょうねぇ・・・・なかなか面白い妄想ではありませんか?(笑)
此方に展示されていたオートマタは全てフランス製です。
オルゴールは全てスイス製だったけどオートマタは全てフランス製なのですね?とスタッフさんに話しかけてみたところ・・・・当時オルゴールといえばスイス、そしてフランス人形という言葉がある様に人形といえばフランスだったそうです。
そしてフランス製のオートマタの人形内や座台内にスイス製オルゴールを入れるというコラボのようなものが盛んに作られていたと丁寧に説明してくれました。
スタッフさん、ありがとうございました。
1900年代
オルゴールの歴史はいよいよ1900年代に突入です。
展示されたオルゴールはシリンダー式からこのレコードのような円盤式に変わっています。
そして展示されているオルゴールはほんの一部のドイツ製以外、全てアメリカ製です。
1900年代初頭・・・・時計でいえば先発の職人技が売りのスイス製と後発で工場による大量生産により安価が売りのアメリカ製がシノギを削っていた時代です。
オルゴールもどうやら同じような歴史があるようですね。
工場で生産しやすいから円盤になったのかは分かりませんし、説明もありません。
ですが、もう見た感じ・・・・。
重圧で美しいあのシリンダーに比べて少々頼りない円盤・・・・しかもこの円盤、まっ平ではありません。
アメリカ製がダメだなどという気は全くありません。
時計は1900年代から多くの庶民も持てる様になりました。
戦場でも高級将校だけが使っていた時計が、第一次大戦では一般兵まで行き届きました。
悲惨な事故からの教訓として全ての鉄道に時計が付けられたというのもアメリカの話です。
アメリカ製の功績はとても大きいのです。
オルゴールもきっとそうなのでしょう。
あの絵画のような部屋の持ち主しか楽しめなかったオルゴールの音色を庶民が楽しめるようになったのも、この1900年代からなのでしょう。
ハハハ、でっかいなぁ。
豪快な、いかにもアメリカンな感じがしますね!
此方はオルゴールの分解展示です。
そして此方がシリンダー式オルゴールの製造機。
どの様に動くのか・・・・全く分かりません。(笑)
自動演奏のピアノ。
うーん、綺麗ですね〜!
此方はドイツ製のストリートオルガンだそうです。
車輪が凄いですね。
これをヨーロッパの石畳の道を通って街から街へ移動していたのでしょうか?
押すのか引くのか、あるいは両方か・・・・大変だった事でしょう。
ストリートオルガンの内部。
これはどうなっているのでしょう?
チューブで空気を送り込むのでしょうか??
まるでSFの宇宙船みたいですね。
此方もストリート的なものでしょう。
此方もどうなっているのか全く分かりませんが、電気でも使っていそうな雰囲気です。
もちろん電化製品ではありません。
此方の自動演奏ピアノは当時では珍しいフットペダルも自動で動くモデルだそうです。
動く姿を見てみたいですね。
アメリカ製円盤式オルゴール。
安価だからか、それとも円盤式になって内部が軽量になったからか・・・・円盤式は外装が凝ったものが多い様です。
此方も音色を聴かせて頂く事が出来ました。
ギド&ジャクリーヌコレクション
京都嵐山オルゴール博物館に約800点ものオルゴールやオートマタを譲ってくれたご夫妻なのだそうです。
小スペースですが、そのコレクションの一部が特別展示されています。
オートマタ。
此方はオルゴールでしょうか?
一番驚いたのが此方です。
なんとマリーアントワネットが所有していたと言われている猿のオーケストラ!
マリーアントワネット!?
当時はまだオルゴールが存在せず、彼女の死後に付加されたそうですよ。
展示はここまでです。
本日は本当に来て良かった、ありがとうございました。
出口にオルゴール製作体験なるものがっ!
流石に機械式を作る訳ではありません、指で弾くものの様です。
子供達が熱心に作っていました。
ワ、ワタクシも作りたい・・・・ですが流石にあそこに混じるのは無理です。
こういう時、子供に戻りたいと思う訳です。(笑)
今回ワタクシが手に入れたお土産
博物館美術館へ行った時の恒例コーナーです。
今回ワタクシが手に入れたお土産は・・・・。
・・・・。
ありません。(泣)
し、ししょぉぉぉぉぉっ!!
まあ、今回は無理だろうと思っていました。
相手はオルゴール・・・・とてもいつものノリで買えるもではありません。
比較的手頃?なものだと曲がJPOPやスターウォーズだったりと・・・・YOASOBIの「アイドル」とか面白いなと思いはしましたが、1800年代から1900年代初頭のオルゴールを見てきた後だとちょっと違う感が拭いきれませんでした。
そしてこのお土産コーナには・・・・なんとオルゴール内蔵の懐中時計がっ!!売っていましたっ!!
お値段300万円・・・・。
めちゃくちゃ欲しいですが・・・・ねぇ。(泣)
ですが、モノから考えるとそこまで高くないと思います。
どこのブランドの時計なのでしょう?
値段に圧倒されてしまいましたが・・・・今思うと店員さんと少しお話ししてどこ製なのかとかオーバーホール代はいか程なのか、もし良ければ動かしてみてくれないか等々聞いてみれば良かったです。
まあ、なんにせよ・・・・今回は買い物出来ませんでしたよ。(泣)
このモヤモヤ感のせいで帰り道に全く予定にないものを買ってしまいましたが、大したものでもありませんからまた別の機会にご紹介致します。(苦笑)
行きたい行きたいとは思いつつなかなか行けていなかった博物館、美術館・・・・今回は行けて本当に良かったです。
ありがとうございました。
皆さんは最近博物館や美術館に行きましたか?