災害サバイバル

陸上自衛隊時代の体験談 雪中サバイバル

陸上自衛隊時代の体験談 雪中サバイバル

 

皆さん、お疲れ様です。

アヒルノヒカリでございます。

年末年始、そして先週と大寒波が到来し雪の事故が多発していますね・・・・。

コロナ患者急増とのダブルパンチで非常に厳しい年初めとなってしまいました。・・・・。

今回ワタクシが知り得る、或いは体験した雪中サバイバルについて書いてみようと思います。

急遽書くことにしたので読みにくい部分もあると思います、どうか了承下さい。

 

最大の脅威は人間の本能です

天気予報をチェックして雪の危険を回避する、何よりこれが一番大切です。

勿論当たり前の事なのですが、実は非常に難しい事でもあります。

先日心筋梗塞を患いながらも救急車を呼ばず、さらに仕事に行ってしまった方が多くいるという話をTVで見ました。

事を深刻に考えない、まさかそんな、大丈夫大丈夫・・・・こういった感情は人間の本能なのだそうです。

災害も同じでこの本能と戦わなければなりません。

危機管理能力、危険予知能力、これらは”能力”でありスキルな訳ですので、鍛え抜けばこの本能に打ち勝つ事ができるでしょう。

大切なのは冷静に情報を分析して遭遇しそうな災害を予測し、遭ってしまった場合どう対処するか前もって決めておくこと、準備しておくことです。

周りの人達も漏れなく上記の本能を持っている訳ですから、色々準備する貴方を臆病者と笑うかも知れません。

ですが人間の本能に逆らう方が勇気がいる事なのです。

大切な命を守る為、大切な人を守る為、是非とも臆病者になる勇気を持って頂けたらと思います。

 

さっさとビバークしましょう

吹雪や暗闇の中動きまわるのは危険です。

上記の本能のせいでもう少し進めばきっと安全な場所に辿り着けるだろう、家にたどり着けるだろうなどと思ってしまう訳ですね。

天候の悪化後や日没後ではシェルターと見つける(つくる)のが困難になりますので、さっさと臆病風に吹かれてビバーク(緊急避難の野宿)の準備をしましょう。

本能に逆らう訳ですから実際はこちらの選択の方が勇気がいる訳です。

しっかりと意識して臆病風に吹かれましょう!(笑)

大丈夫です、雪や風を防げるシェルターと水さえあれば一晩くらいで死んだりしませんよ。(笑)

ですから車で走行中ならさっさと停車して車中泊の準備をしましょう。

間違っても悪い本能に従って無理に走行しないようにして下さい。

 

豪雪時の車中泊について

これはワタクシ、陸上自衛隊の冬季演習で何度も体験しています。

雪や風を防げる密閉された車中はそれなりに暖かそうなイメージもあるかも知れませんが、普通に寒いです。

ですからどうしてもエンジンをかけて暖房を使うことになると思います。

ここで要注意なのは一酸化炭素中毒です。

雪で車のマフラーが埋まってしまうと排気が出来なくなり、排気ガスが逆流してしまいます。

出来れば少し窓を開けて下さい。

そして暖かい車中でいつの間にか寝てしまう事もあるでしょうから、スマホのタイマーをセットしておいて定期的にマフラーをチェックして下さい。

約束ですよ!

 

服は着込むより掛けた方が暖かい

ご存知の通り、布団の中が暖かいのは身体と布団の間の空気が温まるからです。

ですから風を遮れる場所(車中や屋内)に避難できるならば、服を着込むより脱いで身体に掛けた方が暖かいです。

当たり前の事ですが人間焦ると失念してしまうものです。

 

衣服は濡らさないように・・・・汗に注意です

雪山での遭難時、濡れた服を着ていると一気に体温を奪われてしまいます。

特に汗は服の内側が濡れてしまうので要注意です。

車中泊では暖房が使える訳ですが、ガソリンが尽きたらお終いです。

もし暖房が切れた時シャツが濡れていたらどうでしょう?

汗をかかないように暖房の温度調整をして下さいね。

ガソリンの節約にもなります。

そして何か作業をしなければならない場合はゆっくりと、汗をかかないペースでやりましょう。

汗をかいてしまったらすぐ脱いで暖房で乾かすのも良いですし、外に干して汗が凍った後にバシバシ叩いて氷を落とせばまた着れます。

 

雪は絶対食べてはいけません

今回の立ち往生では水不足を訴えるドライバーが多かったですね。

普段から車に水タンクを積んでいる人はいないでしょう。

天気予報を見て豪雪時の立ち往生を予測し水タンクを積むことが出来れば文句なしですが、例の本能のせいでなかなかそうもいかないでしょう。

雪=凍った水ではあるのですが直接食べてはいけません。

脱水症状が更に進んでしまいます。

火を使う手段が有るならば暖かいお湯を飲むことができるでしょう。

それが無い場合は雪の塊を両手で思いっきり握り、落ちてくる水滴を飲んで下さい。

絶対に雪を直接食べてはいけません。

 

頑張って体を動かしましょう

立ち往生の車中泊ではエコノミー症候群の心配が、屋外のビバークでは凍傷の心配があります。

前者は狭い場所でじっとしている事により血の巡りが悪くなる、後者は寒さにより手先足先に血が巡らなくなって起こります。

寒い中、しかも心身ともに疲れた中で体を動かすのは大変でしょう。

気をしっかり持って頑張りましょう。

車中泊のエコノミー症候群防止については、上記のマフラーチェック時のついでにグイグイ体を動かすと良いですね。

 

そしてさっさと寝ましょう

あれこれ考えても雪が止むまでどうにもなりませんし、雪は間違いなくいつか止みます。(笑)

正しいビバークの準備が整ったらさっさと寝ましょう。

主に車中泊について書いているので話が逸れてしまいますが、雪山で遭難した時に寝たら死ぬというのは間違いです。

ワタクシ陸上自衛隊時代に雪の降る山の草むらの中で、或いは1日かけて掘った穴の中で何度も寝ました。

大体1〜2時間で寒くて目が覚めます。

クッッソ寒いです!(笑)

身体が冷えて危険を察知すると目が覚めます。

この目が覚めるのにある程度の体力が必要です。

この体力がない時に眠ってしまうと目を覚ますことが出来ず、低体温症で死んでしまう訳ですね。

雪山で寝ると死ぬを信じて無理に起きていると逆に体力を消耗してしまいます。

ですから正しいビバークの準備が整い次第目覚める体力があるうちに寝て、体力気力のさらなる回復を計りましょう。

 

雪に埋まったら気道を確保しましょう

雪かき中に屋根から落ちてきた雪に埋もれてしまう事故も起きています。

雪に埋まった時の死因は窒息死が多いです。

重みによる圧死ではなく窒息死です。

ですからまず口の前に手を使って呼吸用の気道をつくると良いと言われています。

しかしこれが出来るかどうかは埋まった体勢や状態次第でしょう。

雪の積もった屋根や木の下には近寄らない、これが鉄則でしょうね。

 

コロナも寒波も災害です。

災害発生は止められませんが、被害を最小限に食い止める事は出来ると思います。

一致団結!!

皆で協力して災害を乗り越えましょう!!

 

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