スントトラバーズアルファ レビュー
皆さん、お疲れ様です。
アヒルノヒカリでございます。
本日はこのスントのアウトドアウォッチ、トラバーズアルファについて書こうと思います。
先ず最初に書かなければならないのですがこの時計・・・・もう生産されていません。(泣)
この時計は2020年に生産終了し、現在スント公式サイトには全モデル在庫なしとなっています。
「もう買えない時計のレビューなんて役に立つか、アヒルノヒカリふざけるな!」と言われてしまいそうですが、この記事を書く理由は二つ・・・・一つは前回の山歩きで有効性を感じワタクシがとても安心出来たからです。
そしてもう一つは同じコンセプトの時計が現在も生産されているからです。
スントコアアルファステルス(SUUNTO公式サイトより)
このスントコアアルファステルスについては記事の最後に少しご紹介したいと思います。
尚スントというブランドについては以前書かせて頂いたので、そちらも合わせて読んで頂けたら光栄でございます。
トラバーズアルファ
ワタクシが所有しているトラバーズアルファはブラックレッドというアジア太平洋地域限定カラーです。
このカラーをとても気に入っていますが、実はこれしか在庫がありませんでした。
欲しいな・・・・とは思いつつ買いそびれていたワタクシ、生産終了の情報を得て急いで買いに行ったところ展示品のこの一本しか在庫が無いという状態でした。
ワタクシ、アヒルノヒカリは最近機械式時計にどハマりしていまして・・・・このトラバーズアルファは現在山歩きでのみで使用しています。
仕様
ケース縦径 50mm
ケース横径 50mm
ケース厚 15mm
重量 75g
ケース素材 コンポジット
ベゼル素材 ステンレススチール
風防素材 サファイアクリスタル
ストラップ素材 テキスタイル素材
仕様を見て頂いた通り、ケースがかなり大きいです。
ワタクシ、アヒルノヒカリは可哀想なチビでして・・・・手首も細めです。(泣)
普段使いには・・・・やはり大きすぎます。
特に問題なのはこの様に手首を曲げるとスイッチに接触してしまい、知らない間にGPSが作動しているという事が多々あります。
GPSを作動させるとバッテリー消費量が一気に上がってしまいます。
ですから山歩きではこの様にアウターの袖の上から巻いています。
これなら誤作動はありません。
ケース素材が金属ではありませんがこのアルファシリーズは軍関係者向けのモデルでして、米国国防省軍用規格(MIL-STD-810G)に沿ったテストをクリアしています。
所謂ミルスペックです。
MIL-STD-810H 軍用規格に従いテスト済みです。
テストメソッド 500.6 低圧(高度)
テストメソッド 501.7 高温動作
テストメソッド 502.7 低温動作
テストメソッド 503.7 温度衝撃
テストメソッド 507.6 湿度
テストメソッド 510.7 耐塵
テストメソッド 516.8 衝撃
テストメソッド 516.8 落下
テストメソッド 521.4 氷結/解凍、雨滴 (SUUNTO公式サイトより)
というわけで、ケースが金属製でなくとも強度については米国防省のお墨付きという訳です。
そして金属製でない分、重量はケースの大きさに対して非常に軽く75gです。
かの植村直己さんはエベレスト登頂や犬ゾリでの単独北極点到達にセイコーのダイバーズウォッチを巻いて挑まれたそうです。
ダイバーズウォッチは大体180gですから・・・・本当に有り難い時代になったものです。
腕に巻いていても重さは全く感じません。
更に接触しやすいベゼルはステンレススチール、風防はサファイアクリスタルです。
もしこの時計が事故で壊れたならば・・・・それは他のどの時計を巻いていても壊れるだろうと言っても過言ではないでしょう。
ストラップはスント創業時の製品「M-311コンパス」に採用されたナイロンベルトがモチーフとのことです。
少し薄い気はしますが、二年間使っても全く痛んでいません。
もし気になる様なら頑丈なNATOストラップに交換しても良いでしょう。
NATOストラップなら例えベルトが切れても構造的に時計本体が即落ちることはありませんから、更に安心ですね。
機能
- ハイキング、フィッシングおよびハンティングモード
- 日の出 / 日の入り時刻およびアラート
- フィッシングとハンティングに特化した POI タイプ
- 月相および月の出 / 月の入り時刻
- 自動発砲検知機能
- レッドバックライト、ナイトビジョン(暗視スコープ)に対応
- GPS と GLONASS によるルートナビゲーションおよび POI ナビゲーション
- 記録されたルートのブレッドクラムビューをリアルタイムで表示
- 速度、距離、高度を追跡
- Suunto Appのヒートマップを活用して新しいルートを検索
- ルートプレビューと高度プロファイルをウォッチに表示
- 100 m / 330 ft 耐水性能
- 高度(FusedAlti™)
- 天候傾向インジケーターと嵐警報
- コンパス
- フラッシュライトモードのバックライト
- バイブレーションアラーム機能
- GPS による時刻同期機能
- 毎日、週間、月間および年間の歩数とカロリーの推移を表示
- モバイル通知機能
- Suunto App (iOS版およびAndroid版) 対応
(SUUNTO公式サイトより)
・・・・あまり多いのでコピーさせて頂きました。(汗)
こちらがレッドバックライトです。
非公式サイトの紹介文に「暗闇でも見やすいレッドライト、流石はミルスペック」というものをいくつか見つけましたが、これは間違いです。
公式サイトの書かれている様に、これは暗視装置対策です。
赤い光は暗視装置に映りにくい・・・・陸上自衛隊時代の演習では、全てのライトに必ず赤いカバーを付けていました。
暗闇で見にくいが故にミルスペックなのです。
こちらがフラッシュライトモードのバックライトです。
通常のバックライトのように一定時間で切れる事はありませんので、あくまでも簡易ですが懐中電灯になります。
フラッシュライトなので、大きさの割には光量が大きいですよ。
日の入りまでに目的地にたどり着けない可能性があった前回の東海自然歩道にて、この機能から得られる安心感は本当に大きかったです。
電子コンパス・・・・まあ地図がないと本領発揮とはいきませんが、ワンタッチで方角を知れるというのは良い事でしょう。
その他の機能については・・・・使いこなせていません!
豚に真珠、猫に小判・・・・アヒルノヒカリにトラバーズアルファ。(泣)
ワタクシに使いこなす能力が無いのです、そして機能を生かせる程ハイレベルな登山もしないのです・・・・。
ただ・・・・時代錯誤は覚悟の上で一つ言いたい事があるのです。
今は何でもスマートフォン一つで出来てしまいます。
電話にメール、地図とGPS、写真や動画の撮影、音楽や動画の鑑賞そしてゲーム・・・・更に会計さえもピッとするだけで終わりです。
ですがスマートフォンを紛失してしまったら?
動画鑑賞やゲームで遊んだ後に災害に遭遇してしまい、肝心な時にバッテリー残量が僅かだったら?
ガジェットは機能別に複数持った方が良いのではないかと思っています。
ですからワタクシ山歩きではGPSと地図や緊急時の連絡はスマートフォン、写真と音楽はiPod tuoch、ログの記録はサイクルコンピューター、そしてこのトラバーズアルファという形で使っています。
有意義だと思うのですが・・・・古い考え方ですかねぇ。(苦笑)
トラバーズアルファのバッテリー駆動時間は、公式サイトにはタイムモードで14日間とありますが実際は一ヶ月近く持ちます。
バッテリー残量も相当余裕を持って表示しているようで、0%と表示されていても普通に動いていましたよ。
GPSを起動し連続使用すると一週間弱しか持たない様です。
充電には付属の専用のコードを用います。
ワタクシは汎用性の低い専用アクセサリーというもをあまり好みませんが・・・・まあ仕方がありません。
この様にクリップのように挟んで使います。
何となく頼りないですが、今まで不備があった事はありません。
ワタクシはMacを使っていまして、繋ぐにはアダプターが必要です。
充電と同時に日時を自動で修正します・・・・時間が狂う事などありませんがね。
コアアルファステルス
スマートウォッチが出始めた頃、スントのアウトドアウォッチはトラバースとコアの二つがラインナップされていました。
そしてアルファと名の付くモデルがミルスペック使用の時計という訳です。
ですから、このコアアルファステルスは今回書いたトラバーズアルファと同じくミルスペックを持ったアウトドアウォッチです。
公式サイトのこの写真も暗視装置対策のレッドバックライトが付いた状態のものですね・・・・カッコいい!
仕様
ケース縦径 49.5mm
ケース横径 49.5mm
ケース厚 15.1mm
重量 67g
ケース素材 コンポジット
ベゼル素材 アルミニウム
風防素材 ミネラルクリスタル
ストラップ素材 テキスタイル素材
スントコアアルファステルスが発売されたのは2021年8月、定価は34980円で公式サイトには”在庫あり”とあります。(2022年4月現在)
対してトラバーズアルファは定価61600円でした。
トラバーズアルファに対してスペックダウンしている部分をご紹介すると・・・・。
ベゼル素材 アルミニウム
風防素材 ミネラルクリスタル
そしてバッテリー充電方式ではなく電池式です。
電池交換は割と簡単に自分で出来る様です。
登山時に替の電池を携行すれば、これは利点になり得ますよね。
素材のダウンは少々痛いですがその代わり約半額、そしてミルスペックの堅牢性は健在でしょう。
元々コアはトラバースの下位モデルでしたし、スマートウォッチが主流の現在のスントのラインナップ中このタイプの時計で高額モデルを出すのも厳しいのでしょう。
ワタクシ余りスマートウォッチには興味が無く、今まで大して調べてはいませんでした。
今回この記事を書くにあたり調べてみましたが・・・・スマートウォッチとは凄いものですね。
スント9ピーク (SUUNTO公式サイトより)
こちらのモデルがスントのスマートウォッチ最上位モデルです。
機能についてはワタクシ自身があまり良く分からないので割愛しますが、トラバースやコアより遥かに優れている事でしょう。
仕様
ケース縦径 43mm
ケース横径 43mm
ケース厚 10.6mm
重量 62g
ケース素材 ステンレススチール ガラス繊維強化ポリアミド
ベゼル素材 ステンレススチール
風防素材 サファイアクリスタル
ストラップ素材 シリコン素材
・・・・このケース径とケース厚で高機能、更にケースもベゼルもステンレススチール製で重量が62gとは凄い!
これで定価71390円・・・・ふぁっ!?
スマートウォッチは本当に凄いですね・・・・時代の流れを感じます。
トラバースが消えてしまうわけだ・・・・。(泣)
やはり時代はスマートウォッチ・・・・ですか
トラバーズアルファを紹介しつつコアアルファをお勧めする記事を書こうかなと思っていましたが、完全に落とし所が無くなってしまいました。
何と無く調べたスマートウォッチのスペックとコストパフォーマンスに戦慄しましたよ。
性能と価格では・・・・太刀打ち出来ないですね。
スント公式サイトにはコアアルファではない、つまりミルスペック仕様ではない通常のコアも売られていますが2022年4月現在50%オフです。
もう生産されていないのでしょう。
驚くのは通常のコアの定価が44000円・・・・そう、ミルスペック仕様のコアアルファの方が安いのです。
ワタクシの勝手な妄想ですが、件のコアアルファステルスがこのタイプの最後のモデルなのではないでしょうか?
コアアルファステルスの生産が終了した時・・・・それはコアシリーズの終焉であると同時にスントのアウトドアウォッチの終焉となるのではないでしょうか?
この時期とこの価格・・・・。
今まで人気を支えてきたアウトドアウォッチ、そしてミルスペック・・・・それらのラインナップに対してスントが敬意を持って出した最後の記念モデル、そんな気がしてなりません。
スントのプロダクトが今後どうなるのかは分かりませんが、こういった多機能アウトドアウォッチは今後間違いなくスマートウォッチに吸収されていくと思われます。
カシオの時計以外でこういった時計が欲しいなという方は、早めに手に入れた方が良いかも知れません。
数年後にはもう手に入らない、貴重な一本になっているかも知れませんよ?